アルコール依存症とは

アルコール依存症

アルコール依存症

アルコール依存症とは飲酒によるアルコールの摂取をやめられない精神疾患です。
日本国内には230万人ほどの患者がいると言われています。
アルコール依存症の原因や症状、治療法について確認しましょう。

アルコール依存症とは、薬物依存症の1つであると考えられています。
飲酒によるアルコールの摂取、特にエタノールの摂取によって、得られる肉体的、精神的な薬の作用に強く囚われてしまい、自分の意思で飲酒をコントロールすることができなくなってしまったり、強迫的に飲酒を繰り返すようになる精神疾患である。
アルコールにより自分の身体を壊してしまい、自分の家族に迷惑をかけたり、事件または事故を起こし、社会的にも信用を失ったり、人との関係を崩壊させてしまうこともある。
以前はアルコール中毒(アル中)と呼ばれ、この症状が出てしまうのは自分の意思が弱く、道徳性や人間性が欠けている人に発症すると考えられてきました。
現在では、社会的必要性から、精神疾患の1つと考えられ治療の対象となっている。
アルコールの摂取を自分の意思でコントロールできない症状のことを精神的依存といい、震顫妄想(手の震えなど)などの離脱症状を肉体的依存と言う。
アルコール依存症だけでなく、他の薬物依存症にも同じような特徴があるとされています。
また誰でもかかる可能性のある病気でもあり、日本国内の患者数は230万人ほどいると言われています。
そのうち入院をしている人は2700人ほどとなっています。

アルコール依存症の原因

アルコール依存症の原因 アルコール依存症の原因は1つに限定することが難しく、これというものはありません。
人間関係や仕事関係もあれば、うつ状態や家族の問題など、その人が生活している環境などに原因がある場合が多いです。
アルコール依存症の原因を探るためには、その人の過去に対しても目を向けなければなりません。
現在、抱えている問題が原因となっていることもありますが、過去が原因となっている場合もあります。
幼少期や学生時代にいじめられたり、不登校や家庭内暴力がひどかったり、受験などで挫折していた場合などがあります。
社会に出てからだと、人間関係のストレスや職業に対する葛藤や職場内でのパワハラやセクハラなどが原因となっている場合があります。
結婚している場合、配偶者とうまくいかない事やセックスレス、嫁姑問題などもありえます。
出産後や育児中の場合、産後うつや育児ノイローゼなどがあります。
中高年から老年期に入ると、子供の非行、両親の介護疲れや退職による目的喪失、配偶者との死別、離婚、施設依存や死に対する不安、衰弱などがあげられます。
他にも色々な原因があると考えられており、最初に言った通り、一概にこれといった原因はわからず、人それぞれ原因が異なります。

アルコール依存症の症状

アルコール依存症の症状 アルコール依存症の症状として、まずはじめに強迫的飲酒と呼ばれる症状が出ます。
アルコールに依存してしまっている人でも、今日は適量のアルコールでやめておこうや一切飲まないと思う人もいますが、いざ飲み始めてしまうと自分の意志で飲む量をコントロールできなくなってしまい、酩酊(ひどく酔う)するまで飲酒してしまう症状が出ます。
次に寝ている時以外は、常にアルコールを欲してしまうようになります。
最初の症状で強迫的飲酒が進んでくると常に酔った状態となり、体内にアルコールが入っていないと気が済まなくなってしまい、仕事をしている時も医師から飲酒を止められていても飲酒を続け、連続的飲酒の発作が症状として出ます。
悪化すると、身体に限界がくるまで飲酒をしてしまい、一時的に身体がアルコールを受け付けなくなると断酒し、回復すると飲酒をしてしまうという悪循環が起こってしまいます。
この症状がでる場合は、重症なアルコール依存症となっている可能性が高いです。
また飲酒で失敗を繰り返し後悔しても、その記憶を消すために飲酒をするようになってしまい、この症状を負の強化への抵抗と呼びます。
そして、飲酒をやめようと禁酒しても、禁断症状が出てしまい、軽いものでは不眠や苛立ち、発汗、手の震えなどが起き、症状が重くなると、幻覚や幻聴、妄想やけいれんを起こすようになります。
その禁断症状を無くすためにさらに飲酒してしまうケースもあります。
こういった症状を繰り返すと、他の重い病気になってしまうこともあります。

アルコール依存症の治療方法

アルコール依存症の治療方法 アルコール依存症の治療におけるゴールは、飲酒をコントロールできるようになることではなく、アルコールを体内に一滴もいれず生活していくことです。
一度アルコール依存症になると、脳にアルコールの作用が染みついていて、少量でも飲んでしまうとコントロールが出来なくなり、再び依存症になってしまう事もあります。
なので、徹底的にアルコールを摂取しないという目標を置かなければ、治療は成功しません。
入院治療と通院治療の2つの方法があります。
アルコール依存症は禁酒をした時点で退薬症状の対処をしていかなければなりません。
長期間、アルコールの過剰摂取が続くと、脳がアルコールによって抑制された状態になります。
急にアルコールを体内から抜いてしまうと、脳を抑制していたものがなくなってしまい、けいれんなどの生命に危険が起きる可能性もあります。
なので、コントロールをしながらアルコールによって全身が悪くなっている場合や自殺の危険性がある場合は24時間の対処が必要となるので、治療方法として入院治療が第一選択となります。
通院治療を行っていく場合、心理療法と合わせて、必要があれば薬物療法を行っていきます。
心理療法によって、アルコールを体内にいれないためにモチベーションを上げ、原因となっている生活環境のストレスを解消する力を上げていきます。
薬物療法では、禁酒のためにモチベーション向上のための抗酒薬があり、アルコール代謝を阻害する作用があり、代謝に関係があるアセトアルデヒトドの血中濃度を高めていきます。
アセトアルデヒトドは二日酔いの原因物質であるので、服用するとひどい二日酔いのような状態になります。
それにより禁酒が促されるようになります。
またうつ病や不眠が合併している場合があるので、そういった場合には抗うつ剤や睡眠薬などを処方し、心理面もケアしながら飲酒してしまう状態を無くして治療していきます。

アルコール依存症が発症する仕組み

アルコール依存症が発症する仕組み まずアルコール依存症の典型例であるのが、習慣化した飲酒を止めたり、止める努力をすると、何も手につかなくなってしまい、苛立ったりしてしまうのが依存症の典型的とも言える症状をなっている。
アルコール依存症になりはじめのきっかけは、ストレス解消程度に始めたものの、軽く飲むつもりが次第に量が増えていき、アルコールがなければ生活できない身体になってしまいます。
発症する仕組みとして、脳内にある、快感を感じとる部位であるドーパミン神経が関係していて、快感(美味しいや気持ちいい、楽しいといった感情)を得るためにアルコールを強く欲するようになります。
しかし、脳内ではアルコールに対する快感に耐性ができてしまい、いつもの量のアルコールでは快感を得ることができなくなってしまい、それが原因で、もっとアルコールが飲みたい、欲しいと大量のアルコールを欲するようになってしまいます。
このような脳内の神経が耐性をつけてしまうことによって、アルコール依存症が発症してしまいます。
またアルコール依存症は自分の意思で克服することができなくなってしまい、禁酒をして何年か続けても、ある日一滴でもアルコールを摂取してしまうと依存症を再発してしまいます。

アルコール依存症の薬とは

アルコール依存症の薬とは 日本では従来よりアルコール依存症に用いられてきた薬は抗酒薬と呼ばれる薬で、アルコール依存症の再発予防策の1つとして補助的に用いられるものです。
これを服用すると血中内のアセトアルデヒドの濃度が上昇し、飲酒をすると嘔吐や悪心、動悸、頭痛や顔が赤くなったり、不快な反応がでるようになっています。
つまり服用すると肝臓の機能が一時的に低下し、お酒に対して弱くなります。
またアセトアルデヒドとは、二日酔いの原因となる物質です。
なので二日酔いに似た症状が出て、日常生活で飲酒したいと思っても、気持ち悪くなるからやようという心理的に禁酒ができるようにしやすくする作用があるものです。
具合が悪くなりますが結果的に禁酒の継続につながります。
きちんと服用を続けていれば、禁酒を維持することへの効果が高いものの、肝硬変や呼吸器系に疾患をもっている人は服用することができません。
また副作用として、肝障害やアレルギーなどの副作用を起こす恐れがあり、飲みたくなると薬の服用をやめてしまう人もいます。
また最近になって承認された飲酒欲求を抑制する薬などもあり、脳内神経伝達を阻害することにより、飲酒への欲求をなくし、禁酒できる確率をあげることができる薬もあります。

アルコール依存症の薬の種類

アルコール依存症の薬について紹介した抗酒薬があり、再発予防の1つとして使用される薬です。
現在の日本では、
・ジスルフィルム(商品名ノックビン)
帯黄色粉薬となっています。
副作用は、肝障害と精神症状となり、肝障害の場合、まれに重い副作用を引き起こすので、服用中には肝機能検査をすることが勧められている薬となっています。
精神症状の方は服用量が多い場合の副作用となっていて滅多に出ることはありません。
・シアナミド(商品名シアナマイド)
無色透明の水薬となっています。
副作用は、皮疹がよく見られることがあります。
また肝障害の副作用の発症確率は高いとされています。
ジスルフィルムはシアナミドより効果が出るのが遅く現われますが、薬の持続時間は長いです。
どちらの薬も服用すると肝機能が一時的に下がり、体質がお酒に弱くなります。
薬を服用して飲酒をすると二日酔いによく似た作用が出ます。
吐き気や頭痛、顔のほてりなどがあります。
服用時の注意として、アルコールを含む食べ物や化粧品、洗口液などを使用すると、お酒を飲んだ時と同様の効果が起きる場合があるので注意してください。
抗酒薬と異なるタイプの薬が最近登場し、アカンプロサート(商品名レグテクト)は1989年から世界では使われはじめ、2013年には日本で販売されるようになった薬です。
作用が抗酒薬とは異なり、レグテクトは飲酒したい欲自体を抑えてくれる作用があり、興奮神経を抑制することで、抑制系神経の活性化が治まり、バランスがとれ、飲酒欲がなくなる仕組みです。
また欲を抑えるといっても、あくまでも自然に作用し、安全な方向で治療を進めることができます。
飲酒欲求を抑えることができるので、アルコール依存症の患者さんにとっては救世主とされ期待されています。
副作用は嘔吐、下痢、かゆみ、むくみ、傾眠などが挙げられます。
また意欲が低下する場合があります。
神経に作用するので、意欲低下の症状が見られます。
登場したばかりの薬ですので、服用していて異変などを感じた場合は医師にご相談ください。
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